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産後・授乳の、その数年間

朝の窓辺の室内干しと、そばの椅子に畳まれたブランケット

※本文中の声は、実際にお客様からいただいたレビューをもとにしています。ご本人が特定されないよう、お名前などの情報は除き、一部の表現は要約しています。

洗濯物を畳んでいて、ふと気づく。自分の下着が、いつのまにか全部、かぶって着るタイプになっている。いつからだったか、はっきりとは思い出せない。妊娠が分かった頃か、授乳が始まった頃か。レビューの中には、その「いつのまにか」を、あとから振り返って書いた人たちの声が、たくさん残っている。

「とりあえず」が続く

「産前産後で3年ほどナイトブラやブラトップで過ごしてきました」
「一人目を妊娠しているときから5年間、ずっとブラトップだけで過ごしてきました」

3年、5年。中には10年という方もいた。最初は、とりあえずのつもりだったはずだ。妊娠中は体が変わり続けるから、サイズを合わせてもすぐ合わなくなる。授乳が始まれば、着脱のしやすさがすべてに優先する。夜中に何度も起きる時期に、ホックを4つ留める下着を選ぶ理由はどこにもない。

その毎日が実際どんなものかは、授乳中の方のレビューがいちばん具体的に書いている。「もう一歳半になる子どもにまだ授乳中。夜は添い乳しないと寝ないし 夜中も5回以上添い乳する毎日」。この文章のあとに、下着への細かいこだわりを書く余白がないことは、誰にでも分かると思う。下着は、さっと外せて、さっと戻せて、眠りを邪魔しないこと。その時期の正解は、それがすべてだ。

「ブラの締め付けられる感が苦手で、長年ブラトップばかりを使用していた私」と書き出した方もいる。産前からの苦手が、産後の実用と重なって、そのまま定着する。とりあえずは、こうして年単位になっていく。

卒乳して、気づく

転機として書かれているのは、多くの場合、卒乳だ。

「卒乳して産前よりもしょぼくれた胸をみてやっぱりショック」

授乳という大仕事が終わって、はじめて自分の体を正面から見る。その瞬間の記録が、レビューには繰り返し出てくる。しょぼくれた、という言葉を選んだのはご本人で、その落胆の深さは、選んだ言葉の乱暴さに出ている。

そして、気づくのは体の変化だけではない。

「授乳用の下着やブラトップばかり使っていたのでワイヤー下着に戻れず」

体が変わっただけでなく、習慣も変わっている。何年もやわらかい下着で過ごしたあとでは、以前あたりまえに着けていたものが、着けられなくなっている。戻ろうとして、戻る場所が2つとも動いていたことに気づく。この二重の変化が、「その数年間」のあとに待っている。

戻り方は、ゆっくりでいい

それでも、戻ってきた人たちの書き方は、劇的ではない。

「産前産後で3年ほどナイトブラやブラトップで過ごしてきましたが,そろそろちゃんとした下着を復活したい、、、と思い購入しました」

そろそろ、のあとに、読点が3つ続いている。ためらいが、句読点の形でそのまま残っている。決意というより、時効を迎えた宿題にようやく手をつけるような書き方だ。

別の方は、久しぶりのブラジャーの締め付けに慣れるまで、延長ホックで少しずつ慣らしていこうと思う、と書いていた。「卒乳後の久しぶりのブラジャーのため、この締めつけ感に慣れるまでは」と、慣れることを前提に、慣れるまでの道具を先に用意している。うまくいくかどうかを賭けるのではなく、うまくいくように段取りを組む。数年ぶりの再開の仕方として、これはとても賢いやり方だと思う。

5年間ブラトップだった方は、「さんざん悩んで、迷って」、スタッフに相談して、それでやっと決心がついたという。事前の診断でサイズを確かめ、子どもを抱くことが多いからと、着け心地を優先した1枚を選んでいた。5年ぶりの1枚を選ぶ基準の中に、まだ子どものことが入っている。それでも、選んだのは自分のための下着だった。

誰も、ある朝突然変わったりしていない。数年かけて離れた場所には、数週間かけて戻る。読点3つぶんのためらいを抱えたまま、それでも注文ボタンを押す。戻り方として、それで十分なのだと思う。

その数年間を、後回しにした期間、と呼ぶのは正確ではない気がしている。

授乳のしやすさを優先したのは、合理的な判断だった。夜中の着脱が楽なものを選んだのも、体が変わり続ける時期にサイズ選びを保留したのも、全部そうだ。その期間、下着のことを考えていなかったのではない。考えた結果、いちばん理にかなった選択を、毎日し続けていた。ただその選択の理由が、自分ではなかったというだけだ。

だから、「もっと早く戻ればよかった」とは書かないでおきたい。早く戻る必要は、たぶんなかった。戻りたくなった日が、その人にとっての戻る日で、それがいつであっても、遅かったということにはならない。

ラディアンヌの測り方のページも、この読みものも、その日のために置いてある。急かすためではなく、待つために。何年ぶりでも、測り方は変わらずそこにあるし、分からなければ聞ける窓口もある。それだけのことを、変わらず続けていたい。

「そろそろちゃんとした下着を復活したい、、、」。あの読点3つを、私たちは何度も読み返した。ためらいごと受け取って、ためらいごと応えられる仕組みでありたいと思う。気づいたときが、測り直すときでいい。

数年ぶりにサイズを測り直してみたい方へ:サイズの測り方(公式ページ)

ラディアンヌという会社の原点は、こちらに書いています:ラディアンヌストーリー