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着るのは母で、選ぶのは私

玄関の上がり口に置かれたままの宅配の箱と、開けかけたガムテープ

※本文中の声は、実際にお客様からいただいたレビューをもとにしています。ご本人が特定されないよう、お名前などの情報は除き、一部の表現は要約しています。

レビューは、たいてい自分の話だ。自分が買って、自分が着けて、こうだった、と書く。ところが、ときどき主役が入れ替わる。書いているのは選んだ人で、着ているのは別の人。母のぶんを選んだ、というレビューは、そういう書かれ方をしている。届いた日と、感想が届いた日が、同じではないこともある。書かれているのは、人から頼まれた条件と、渡したあとに返ってきた言葉だ。家族のだれかのぶんを、選んだことはありませんか。あの、決めてしまったあとの落ち着かない時間が、数行の中に残っている。

頼まれて、探す

「母に頼まれて購入しました」。この一行で始まるレビューが、いくつもある。頼まれた側の仕事は、まず条件を聞き取ることから始まる。

ある方の場合、条件は3つあった。母は売り場で測ってもらった数字を持っている。それでも、そのとおりに選んだものを「胸が苦しい」「ワイヤーが痛い」と言う。頼まれたのは、アンダーの表記をひとつ上げたもので、ワイヤーのないもので、しかも胸が小さく見えるもの。探し始めると、そのアンダー表記のある商品そのものが、そう多くない。

「やっと見つけた商品でした」

条件を3つ並べて書いている方は、ほかにもいた。ゴムでできていること。締め付けすぎないこと。それでいて、シルエットはきれいであること。3つを書き出したあと、その方はこう結んでいる。

「というわがままをみごとに叶えてくれました」

わがまま、と書きながら、条件をひとつも減らさずに探している。自分が着るのではないから、勝手に間引けないのだと思う。

サイズ表を見ながら2枚を選んだ方は「どうやらピッタリだったようです」と書いていた。別の方は、追加を頼まれたのに希望の色が売り切れていて、再入荷の知らせを待っている。頼まれたものを間違えた方もいる。

「母に頼まれて、リピート購入したつもりが、違うものを買ってしまいましたが、私が履きます」

最後の一行に、ふっと力が抜ける。

渡してから

選び終わっても、そこで終わりではない。渡してから、返事が来るまでの時間がある。

実家に送った方は、レビューをすぐには書かなかった。

「感想待っていたのでレビュー遅くなりました」

荷物が届いた日と、この一行が書かれた日のあいだに、何日かある。その何日かのことは、どこにも書かれていない。

返事が電話で来た方もいた。「ホックとワイヤーが辛い」と言われたので、自分のお気に入りを勧めた。母はそれを、はじめて自分で注文した。

「良い感じよ。」

その方は「嬉しそうな電話がありました」と書き添えている。伝わってきたのは、言葉より声のほうだったのだと思う。

順番が逆になることもある。先に自分が使っていて、それを見ていた母が、自分も欲しいと言い出す。「見ていた母も欲しいとの事で」買い足した方がいた。もうひとりは「感動して母に見てもらったら自分も欲しいと言うので」3枚を追加している。この場合、勧める言葉はいらない。すでに家の中に、見本が1枚ある。

どちらが先だったのか、はっきりしない場合もある。ある方は「母も気になっていたようで」2点をまとめて買った、と書いていた。

渡したあとのことを、遠くからながめている書き方もある。「結構な頻度で着てくれています!」と書いた方は、渡したあとの日々を数えている。義母に贈った方は、返ってきた言葉をそのまま書き残していた。

「こんなブラジャー待ってたー!」

合わなかったとき

いい話ばかりではない。同じものが、同じ家の中で、合う人と合わない人に分かれることがある。

自分が気に入ったので、母にも試してもらった方がいた。「サイズ的にも良ければ母分も買おうかなと思っていたのですが」、結果はこうだった。

「ウエストのゴムがめっちゃんこしっかりし過ぎてて母にはきつくしんどかったようです」

だから母のぶんは買わなかった。先に試してもらう順番を踏んでいたので、この方は1枚を無駄にせずに済んでいる。

試してもらえない場合は、そうはいかない。離れて暮らしていれば、届くまで何も分からない。色を2つ選んで渡したあと、アンダーがきついことが分かった方もいた。

「母にピンクとラベンダーを購入、アンダーがキツくて延長ホックをお願いしました」

贈ったものが、自分のところへ戻ってきた例もある。母へのプレゼントとして選んだのにサイズが合わず、手にとってみたら生地の手触りが気に入って、その方はこうしている。

「返品するのが勿体なかったので私のサイズにサイズ変更をしてもらいました」

母のぶんを選んだレビューには、「ようです」「みたいです」「どうやら」という書き方が目につく。着けているのが自分ではないから、言い切れない。選ぶ側が確かめられるのは箱の中身までで、その先は人から聞くことになる。

ラディアンヌは、下着の知識が売り手の側にだけあるのをやめよう、というところから始まった会社だ。

同じ差が、家族のあいだにもできていた。自分のサイズを、いつかどこかで聞いた数字のまま覚えている方は珍しくない。その数字だけを頼りに、別の人が選んでいる。

測り方は公開している。2か所だけなので電話でも伝わる。それでも、着ける人は目の前にいない。だから、1回で当てなくてよくする用意もある。「初めてのラディアンヌ」は、ブラ2商品×各3サイズ、最大6点を一度に取り、合うものだけを残せる。うちでブラを買うのが初めての方に限る。公式ストアのみ。返品・交換の申し込み時に紹介コードの入力が必要で、到着後15日以内、タグを外していない未使用品であること。送料はかからないが、最初のお支払いは6点なら6点分。不要な分は、交換か返品が済みしだい返金している。

ただし、これははじめての方だけの仕組みだ。すでにうちのブラを使っている方が誰かのぶんを選ぶときには使えない。そこは用意できていない。

売り手の側だけに知識を置かない、というのは、判断の材料を選ぶ人に渡すことだ。母のぶんを選んでいる人は、いま、その判断をしている。

実家に送った方は、レビューをすぐには書かなかった。感想を待っていたので遅くなった、と一行だけ添えている。箱が届いてから、その一行が書かれるまでには何日かある。その何日かのことは、どこにも残っていない。残っているのは、遅れたという事実だけだ。

ご自宅でサイズを測ってみたい方へ:サイズの測り方(公式ページ)

ラディアンヌという会社の原点は、こちらに書いています:ラディアンヌストーリー

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