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朝はよかったのに、夕方に

窓際の机。夕方の低い光が差し込み、飲みかけのマグと開いたままのノートが置かれている

※本文中の声は、実際にお客様からいただいたレビューをもとにしています。ご本人が特定されないよう、お名前などの情報は除き、一部は引用の一部分だけを抜き出しています。

朝、鏡の前で位置を整えて、服を着る。そこまでは、たいてい思いどおりにいく。問題はそのあとだ。家を出て、電車に乗って、仕事が始まって、昼が過ぎて、誰かに呼ばれて、気づけば窓の光が低くなっている。その長い時間のあいだに、着け直せる場所は何回あっただろう。朝に整えたものを、もう一度直せる時間が、その日ありましたか。レビューを読んでいると、朝のことと夕方のことを並べて書いた人たちがいる。商品の感想というより、一日の記録に近い。同じ一日の、はじめと終わりの話だ。

朝は、うまくいっていた

夕方に触れているレビューを集めて読むと、多くが同じ形をしている。朝のことは書かず、夕方のことだけを書く。朝はうまくいっていたから、書くことがなかったのだと思う。

ある方は、いろいろなメーカーの下着を試してきたと書いたあとで、こう続けていた。

「一日キレイをキープしたことがないので諦めていました」

一日、という単位で書かれている。朝の数分ではなく、夕方までの十数時間のほうで判断している。

別の方は、留めていた位置まで書き添えていた。

「1番外側にホックをとめているのに、1日つけていると夕方辺りには苦しくなって来る」

この方は、そのあとアンダーを1サイズ上げて買い直している。すると今度は、いちばんきつい側で留めても少し緩いかもしれない、と書いていた。

要望の形で書かれたものもあった。

「夕方になるとホックがキツくなるので調整フックがついていたら良かった」

短い一文だ。けれど、同じ要望はほかのレビューにも繰り返し出てくる。

もうひとり、こう書き出していた方がいた。

「どんなブラも夕方にはキツく感じられ困っていました」

どんなブラも、と書いている。これまで試してきたものが、揃って夕方という時刻を越えられなかった、という書き方だった。

直せない時間

夕方の話の隣には、もうひとつの層がある。仕事の場面を書いたレビューだ。そちらを読んでいくと、直せるかどうかは、その人の一日の形で決まっていることがわかる。

「仕事中や出先ではトイレの度にズレを直すのが日課でした」

日課。困りごととしてではなく、予定として書かれている。

「その度に直してましたが、人前だとそのままなので結構ストレスでした」

直せる場所があるかどうかではなく、人の目のないところまで行けるかどうかの話になっている。同じ構造の一文は、ガードルのレビューにも出てくる。そして、そこへ行けない人がいる。

「よく動き回りお直しにお手洗いにもいけない職場だったのでワイヤー入りは諦めてました」

この方は、その状態が長く続いたことも書いていた。

「家に帰るとノンワイヤーに必ず着替え、出掛けない日は必ずノンワイヤーを着用するほどワイヤーブラとリラックスは私にとって遠い所にありました」

選べるものが、一日の長さのほうで決まっていた。着けるか着けないかではなく、どの時間なら着けていられるか、という選び方になっている。

逆に、直せることを選んだ理由に挙げている方もいた。

「フロントホックもあるので、夕方苦しくなったらトイレでさっと調整できるのもいいです」

ホックが前にあるか後ろにあるかという仕様の違いが、夕方の選択肢の数を変えている。

夕方になっても、朝のままだった

同じ「夕方」という言葉が、反対の意味で出てくるレビューもある。そして、そちらのほうがずっと淡々としている。

「夕方になっても位置は変わりませんでした」

この一文で終わりだ。続きに書かれていたのは商品の難点で、ホックの段が4つあって留めにくかったこと、それから延長ホックのことだった。

「延長フックを頂いて付けると余裕が出来て付けやすかったです」

別の方は、確かめた時刻まで書いていた。

「仕事中、動いてもずり上がらず、休憩時間に確認したら谷間もキープされていて驚きました」

休憩時間に確認した、という一行が好きだ。朝の自分の手つきを、昼にもう一度確かめにいっている。直すためではなく、確かめるために。そうやって確かめた日が、ありませんでしたか。

はじめに「一日キレイをキープしたことがない」と書いていた方は、同じレビューの後半で、こう書いていた。

「ズレることなく夕方までキレイをキープできていたんです」

諦めていたと書いた人と、キープできていたと書いた人が、同じひとりだった。夕方という時刻が、同じ文章の中で二度出てきて、二度目は意味が変わっている。

いちばん静かだったのは、この一行だと思う。

「気がついたら1日中着けていました。タグがついたままで」

タグを切る前だった。返すかどうかも決めていない状態で、一日が終わっていた。この方は続けて、ゆるくなったら留め位置を詰めて使っていこうと思う、と書いている。まだ様子を見ている途中の人の書き方だ。

両方を書いていた方もいる。「調整アジャスターをつけると疲れたときもきつく感じず済んでいます」。同じレビューの中に、こうも書いてあった。

「洗濯や着用の度にアジャスターの取り付け取外しが手間です」

助かっていることと、面倒なこと。どちらも本当のことなのだと思う。

夕方にホックがきつく感じる、という話に対して、うちに用意があるものは2つある。

ひとつは延長ホック。横に3列、約5センチほどアンダーを伸ばせる部品で、ホックのあるブラジャーと巻き肩シェイパーが対象。ご注文から90日以内であれば、対象商品1点につき1つ、無料でお送りしている(本店・楽天・Yahoo!でのご購入分)。段数や幅は商品ごとに違うので、商品ごとに専用のものがある。もうひとつは、もともとある留め位置だ。段が縦に複数ある商品なら、ゆるい側ときつい側を、一日の中で変えられる。

気になったのは、レビューの並び方だった。「調整フックがついていたら良かった」と書いた方の隣に、「要望すれば延長ホックがいただけるようなので、試してみようかと思います」と書いた方がいて、その隣にすでに受け取って使っている方がいる。同じひとつのものについて、知らなかった人と、たまたま知った人が並んでいる。商品の話ではなく、情報が届いているかどうかの話だ。

ラディアンヌは、フィッティングの場にしかなかった知識を、誰にでも届く場所へ開いていくことを掲げて始まった会社だ。留め位置を一日の中で変えられること、それを広げる部品があること。知っていれば使えるし、知らなければ、一日はそのまま長い。

ある方のレビューは、一文だけだった。「夕方までしっかりホールドしてくれて、日中のズレも感じにくくて愛用していきたいと思います!」。それだけで、投稿は終わっている。朝のことは、やはり書いていない。書く必要がなかったのだと思う。夕方まで何も起きなかった日は、たいてい記録に残らない。

ご自宅でサイズを測ってみたい方へ:サイズの測り方(公式ページ)

ラディアンヌという会社の原点は、こちらに書いています:ラディアンヌストーリー

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