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一度、離れていました

昼の窓辺の机。ふたを開けたままの布製の収納ケースと、たたんだニットが置かれている

※本文中の声は、実際にお客様からいただいたレビューをもとにしています。ご本人が特定されないよう、お名前などの情報は除き、一部の表現は要約しています。

何年ぶりかで、店の名前を検索の欄に打ち込む。ページの見た目は少し変わっている。それでも、探しているものがどこにあるかは分かる。前に買ったのがいつだったかは思い出せないのに、その1枚をどうしたかは覚えている。引き出しに入れたまま、着けなくなった。着けなくなった1枚が、家にありませんでしたか。ずっと考えていたわけではない。別のものを試して、それも違って、また探して。そうしているうちに、また同じページを開いていた。レビューには、そのあいだのことが一行だけ書かれている。しばらく離れていました、と。

離れた理由は、一行で書かれている

一度うちを離れて、それからまた買ってくださった方のレビューでは、離れた理由がたいてい一行で書かれている。その一行は、とても具体的だ。

「以前もこちらのメーカーのブラを着用していましたが少し痛いと感じる事が多く使わなくなってしまいました。」

捨てた、とは書かれていない。使わなくなった、で止まっている。別の方の一行はこうだ。

「以前ラディアンヌさんの違うブラを使用していたのですが、痛みがあり違う下着に変えていました。」

変えていました、という言い方だ。やめた、でも、もう買わない、でもない。次を探しに行っただけ、と読める。

理由は、身体のことより、留め具や形のことで書かれていることが多い。

「以前のナイトブラはホックが付いていなかったので着脱が少し大変でなかなか毎日使えなかったのですが、今回のはホックが付いていてすごく良いです!」

着脱が少し大変で、なかなか毎日使えなかった。大変だったのは1回ではなく、毎日の話だったのだと思う。

離れるときは、たいてい何も言わずに離れていく。問い合わせもレビューもない。この一行が書かれるのは、戻ってきたあとだ。

使わないまま、置いてあった

離れたあとの1枚は、たいてい家に残っている。

「買ってしばらくはきつく感じてお蔵入りさせてたんですが、最近毎日着け始めた」

お蔵入り、という言葉はレビューの中で何度も出てくる。使っていないけれど捨ててもいない状態に、みんな同じ名前をつけている。

「今まで色々購入しては締め付けがきつかったりで眠っているガードルが、、、」

眠っているガードルが、で文が途切れている。そのあとに何を書こうとしたのかは分からない。

置いたままにしたことを、心残りとして書いている方もいる。大きめのサイズで注文して、少し大きかったという★3のレビューは、こう続く。

「今回は残念ながら履くことができませんでしたが、次回購入の機会があれば、ぜひサイズを下げてリピートさせていただきたいと思います。」

この方は、交換を申し込める時期を過ぎたことも書いていた。★2をつけた別の方は、数か月のあいだ我慢して着けて、別のものを買ったところでその1枚がお蔵入りになったと書いたあとに、こう続けている。

「今でも返品すれば良かったのか、思い切ってD80に交換すれば良かったのか悩みます。」

悩みます、と現在形で書かれている。この方は離れていない。離れてもいないのに、どうすればよかったのかが、まだ決まっていない。

戻ってきた日に、書かれていること

一度離れたお店に、戻ったことはありますか。戻ってきた方のレビューは、その日のことから始まっている。

「ブラジャー迷子になり高いものを買ってみたりしばらくラディアンヌから離れていましたが、納得いくものにであえず戻ってきました。」

納得いくものにであえず。離れていたあいだのことが、この一行に全部入っている。この方は続けて、自分の期待の低さまで書いていた。

「失礼ながらあまり期待せず購入した(中略)着けてみて、あーっ!と感激しました。」

いちばん短い書き方をしていたのは、この方だった。

「一度別の商品を買ってみたが全然ダメで結局ここに戻ってきました」

ただ、戻ってきた日のレビューは、それで終わっていないことが多い。数年ほかを試して戻ってきた方は、使いやすかったところと、まだ決まっていないところを並べて書いていた。

「パッドが固定されて、ホックがあるのはとても使いやすいです。」
「ただ、肩がズレやすいので、私の体系では難しいのかなと、悩んでいます。」

戻ってきました、のあとに、悩んでいます、が続いている。戻ってきた方の話は、解決した話ではない。長いあいだ履いていなかったものに戻った方も、一度では決まらなかったことを書いていた。

「ガードルを履かなくなって数十年。」
「前回Lサイズを購入しました。ガードル自体は良かったのですが残念ながら太ももの部品がキツく、今回LLサイズを再購入。」

ここまでは、戻ってきた方の声だ。同じ時期に、反対のことを書いて終わっているレビューも、同じくらい見つかる。

「サイズ変えて買い直そうか一瞬だけ考えたけどまた失敗するのが怖いし(中略)もう買わないです。」
「サイズ変更のハードルが高すぎるのではないかなと思いました。もう買わないです。」

また失敗するのが怖い。ハードルが高すぎる。離れる理由が、商品ではなく、やり直しにかかる手間のほうに書かれている。

ここまで読めているのは、戻ってきた方の声だけだ。

もう買わない、と書かれたレビューも読んでいる。ただ、その方がそのあとどうされたかは分からない。どのレビューをどなたが書いたかを名前でたどることはしていない。だから、離れた方は戻ってきます、とは書けない。戻ってきた方の声が残っていて、戻らなかった方の声は、書かれたところで終わっている。

離れる前の、もう少し手前でできることはある。カップに余りがあるときは、ブラパッドをお送りしている。1セットは左右に1つずつで、レモン型の小と大。パッドが入っている商品が対象で、パッドを入れるポケットがなくても申し込める。ご注文から90日以内、対象商品1点につき1セット。本店と楽天、Yahoo!でのご注文が対象で、外れる場合は1セット500円と送料500円をいただく。同梱はせず、着けてみて必要だと分かってからお送りしている。

これは余っているほうにしか効かない。きつい、入らない、という話には何もできない。90日の期限もあるので、引き出しに入れたまま何年か経って思い出した方には間に合わない。

ラディアンヌは、下着の知識が売り手の側にだけあるのをやめよう、というところから始まった会社だ。それでも、離れた理由を一行しか書かなかった方に、その一行のうちに打てる手があるとお知らせする方法は、まだ持っていない。

離れていた時間の長さを書いていた方は、ほとんどいなかった。数十年と書いた方がひとり、ここ数年と書いた方がひとり。あとはみんな「しばらく」だった。しばらく離れていました、と書いてから続けているのは、離れていたあいだの話ではなく、戻ってきてからの1枚の話だ。過ぎた時間の長さは、本人にとっても、たぶんあまり重要ではない。

ご自宅でサイズを測ってみたい方へ:サイズの測り方(公式ページ)

ラディアンヌという会社の原点は、こちらに書いています:ラディアンヌストーリー

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